不動産市況予測と住宅需要の今後:プロが語る分析と見通し
2023/09/15
不動産市場は常に変化し続けており、先行きの見えない経済情勢により、今後の住宅需要の予測は難しくなっています。しかし、実際の現場の声や分析、見通しを知ることで、少しでも不動産に関する知識を得て、自身の将来の住宅購入や投資に役立てることができると思います。本稿では、不動産市況予測と住宅需要の今後について、解説します。
目次
不動産市場の現状分析
現在の不動産市場は、大きく賃金アップが期待できない環境化にある中で、物価高騰が進み、生活面での不安感から住宅需要については、一時的な様子見状態になっています。しかし一方で、投資用不動産については、それらの影響を受けない富裕層や外国人を中心に多くの関心が高まっています。さらに投資用不動産については、大手企業に勤務している若い世代が、老後を不安視している影響から、利便性の良い投資用不動産を取得するといった傾向にあります。ただ一方で、利便性のあまり良くないエリアにおいては、人口減少や高齢化により、住宅需要や投資用不動産需要は減少化が進んでおります。
よって、不動産市場の現状については、地域や用途によって異なる傾向は見られますが、東京を中心とした一都三県については、安定した住宅需要はあるものの、それ以外の地域については、停滞している状況と言えます。
住宅需要の分析と見通し
不動産業界において、住宅需要は常に注目の的となっています。このニーズについて分析を行い、今後の見通しを予測することは特に重要です。現代社会においては、家族構成に大きな変化が生まれたことにより、これまでの生活スタイルであった広々とした住宅を求める環境から、いかに利便性が良く、コンパクトでも快適な生活スペースが確保できるかが求められています。また最近では、コロナ化に進んだリモートワークにより、ホームオフィスが必要な人々が増え、このような需要に合わせたグローバルな環境に適応し得る住宅が必要となっています。 これらのトレンドから見ると、現在の住宅需要はより多様化し、個性的なライフスタイルに対応する柔軟なプランニングが求められています。これらを踏まえ、今後の住宅事情をより見通しを立てた上で、建設業や不動産業者等の関係者がより良い住宅供給を行っていく事が求められています。
不動産市況の将来性
不動産市況については、国や地方自治体の政策等によって将来性が分かれるといっても過言ではありません。とくに一番大事な問題は少子化問題です。住宅戸数に対する世帯・人口割合は年々減少しており、それが続けば購入需要が期待できなくなるのは、言うまでもありません。そのような状況下にあるにも関わらず、現在の国の政策では、人口が増える政策は一つもないと言っても過言ではありません。人口を増やすために、「海外の方が永住しやすい環境整備を行う」などの大胆な対策を今すぐにでも打ち出さなければ、国全体の住宅需要が高まることはないでしょう。
そのため、不動産市況が将来に渡って活性するかは、いかに需要と供給のバランスを合わせ続けられるかが大事ポイントになってきます。ここ数年、不動産市況が好調にある大きな要因は、コロナ前までは、東京オリンピックに向けた富裕層や海外投資家等による転売が盛んに行われたことにより不動産価格が高騰しました。またコロナ禍では、転売目的の海外投資家が日本に来れず、あるいは価格の下落を恐れるなどの理由から、売却を一斉に休止したことにより、市場に出ていた販売物件が大きく減り、需要と供給のバランスが合致したのです。また消費者の融資(借入金額や借入期間)に対する抵抗感が薄まり、史上最低金利も後押ししたことも最大の要因と言えます。
以上のことから、人口減少により不動産が供給過多になることが目に見えている以上、不動産市況は不調に入るものと推察されます。特に地方都市においては、これらの影響を受けやすいことが挙げられます。では、そういった不調に巻き込まれないようにするには、どうすればよいのか。それは、所有地の地方自治体が掲げる政策をホームページ等で確認してみてください。人口減少対策と地域活性化に対する指針によっては、売却するなど、早めの対策が必要と言えるでしょう。また、災害に対する防災意識の高い地域か、観光地などかも重要な判断材料となります。早々にご自身でお確かめいただくか、不動産会社に相談してみてください。
ただし、需要が高くなるからと言って、必ずしも価格が上がるわけではありませんのでご留意ください。
不動産投資における注意点とリスク管理
不動産投資は、多くの人々にとって大きな利益をもたらすことができますが、その一方でリスクも伴います。そのため、不動産投資を行う際には注意点やリスク管理をしっかりと考慮することが必要です。 まず、不動産投資において最も重要な注意点は、収益性に関する正確な予測を行うことです。不動産市場においては、物件の値段が急激に変動することもあり、間違った判断を行うと多大な損失を被ることがあります。積極的なリサーチや分析を行い、正確な見通しを持つことが必要です。 また、不動産投資には多くのリスクが伴います。例えば、賃借人がいなくなった場合や、不動産価格が下落した場合などが挙げられます。これらのリスクに備えて、かつリスクの軽減や回避のためには、管理会社や不動産エージェントなどの専門家に相談し、保険などの対策を講じることが大切です。 不動産投資は、もちろんリスクもあって投資には慎重な判断が求められますが、適切な投資方法や優れた不動産会社と提携することで、安定的な収益を見込める運用方法となります。したがって、しっかりとしたリサーチや分析をして、リスク管理にも十分な配慮をしながら、適切な不動産投資を行うことが大切と言えます。